食材辞典

食物繊維が豊富で生活習慣病を予防する!『陽性食材』ごぼうについて知る/食材辞典

saburou

現代人にとって食物繊維はもはや必須!整腸作用がありコレステロールも下げる。生活習慣病やがんの予防、滋養強壮など多彩な薬効を持つ根菜類の代表格。「ごぼう五時間、にんじん二時間、やまいもたちまち」といわれるほどの強精作用を持つごぼうについて学びます。

基本情報

  • 和名:ゴボウ
  • 英名:edible burdock greater burdock beggar’s buttons
  • 科目:キク科 キク目
  • 属名:ゴボウ属
  • 原産地:ユーラシア大陸北部 ヨーロッパからアジアの熱帯地域
  • 陰陽区分:陽性食材
  • 五味:苦味

ごぼうの特徴

東洋医学では、食物繊維が豊富な『陽性食材』に分類され、体を温めて腸内環境を整えてくれます。

古くから薬用植物とされ、漢方では、解熱や解毒、利尿作用作用や体の中の不要な老廃物を排出し、腸の掃除をしてくれる働きがあります。

薬膳では、黒い食材は生命の源となるエネルギーでホルモンのバランスを整えて腎の働きを助け、老化現象を抑えるほか、子供の発育や発達に関わる機能を養います。ですので、老若男女を問わず摂りたい食材です。

東洋医学の『相似の理論』から見ると、人間の下半身は植物の根の部分に相当し、弱った足腰や下半身、泌尿生殖器はごぼうなど根菜類を食べれば補えるというわけです。

また『苦味』の要素を持ったごぼうは、気が滞り体内にたまった毒素を排出する作用があります。

ごぼうの旬

ごぼうは、だいたい11~2月の寒い時期が旬になります。

薬膳では、春ごぼうや夏ごぼうとも呼ばれる『新ごぼう』が春から初夏にかけて旬を迎えますが、生命エネルギーを高め、冬に疲れやすくなる腎の働きを助けて精をつけ、体を温める性質があることから、寒い季節に育つごぼうは最適な食材です。

春先には、全身に血液をいきわたらせる『気』が滞りやすくなり、イライラして情緒が不安定になったり、お腹が張る、食欲不振など、『気滞』による症状が出やすくなります。

春が来る前に、旬のごぼうを摂り、『気滞』にならないように養生をすることが大切です。

ごぼうの効能

  • 動脈硬化や大腸がんの予防に有効とされます。
  • 滋養・強壮効果があります。
  • 有害な物質を吸着して排泄し、便通を良くします
  • 栄養過剰で起こる生活習慣病の予防・改善に効果が期待できます。
  • 解毒作用や発汗作用があり、ニキビや発疹などの皮膚病、火傷などに有効です。
  • 抗酸化作用があり、老化防止が期待できます。
  • 腎臓の働きを高め、利尿作用があります。
  • 腸の働きを高め、腸内環境を整えます。
  • コレステロール値を下げる効果が期待できます。
  • 熱を冷まし、炎症を鎮めます。

美味しいごぼうの選び方

  • 2cmくらいの太さでスラリと伸びているもの、ひげ根が少ないものが良品です。
  • 鮮度と風味を保ちやすい泥つきのごぼうを選びます。
  • 触ったときに弾力があり、適度に湿り気のあるものが良いです。
  • 太すぎるものは『す』が入っている可能性があるので避けましょう。

ごぼうの扱い方

  • ごぼう独特の香りや薬効は皮と実の間にあるため、皮は剥かずによく洗い、たわしなどで皮をそぐような感じでこすってから調理すると栄養素の損失を最小限に抑えられます。
  • 切り口が空気に触れると茶色に変色するため、切ったらすぐに水に放します。あまり長い時間さらしておくと、せっかくの栄養成分が流れ出てしまうのでさらし過ぎに注意が必要です。

ごぼうの切り方

  • ごぼうはさまざまな調理法で料理ができるため、目的によって切り方を変えると仕上がりに大きな差が出てきます。
  • 煮物や炒め物にするときは『乱切り』にします。
  • カットした断面が大きくなるので、味が入りやすくなり、良い感じで食感も残ります。
  • 和え物やサラダ、きんぴらなどに使うときは、『千切り』にします。繊維に沿って並行に切り、シャキシャキとした食感が残るように、軽く茹でてから使います。
  • 同じく、和え物やサラダ、きんぴらなどに使いますが、口当たりを柔らかく仕上げたい場合は、『ささがき』に切ります。包丁やピーラーを使い、断面をやや大きく、削ぐように切ります。

ごぼう調理のポイント

  • リグニンはがんの予防に有効とされますが、これはカットした切り口に発生するという特徴があり、時間が経つほどに増えていきます。そのため「乱切り」や「ささがき」などのように、切り口の表面が多くなるようにカットして調理するのがおすすめです。
  • ごぼうに含まれる食物繊維はビタミンB1や油、砂糖などと一緒に摂ると便通が良くなります。
  • 茹でるときに、酢を少々たらすとアク止めになり、きれいに仕上がります。
  • 陽性体質の人は体を冷やす陰性食材の酢やマヨネーズを使って料理をすると、陽性の性質を抑えるのに効果的です。
  • 軽く茹でて甘酢で和えたり、千切りにした人参と合わせてキャロットラペ風にしたり、マヨネーズで和えたサラダなどがおすすめです。

おすすめ陰陽ごぼうのレシピ

陰性体質の人におすすめのレシピ

[鶏ごぼうの炊き込みごはん]

材料(2人分)

米・・・・・・1合

ごぼう・・・・1/3本

鶏もも肉・・・200グラム

生姜・・・・・適量

みつば・・・・適量

白ごま・・・・適量

【下味】

酒・・・・・・大さじ1

醤油・・・・・大さじ1

【A】

酒・・・・・・小さじ1

醤油・・・・・大さじ2と1/2

塩・・・・・・適量

みりん・・・・大さじ1

下ごしらえ

  • 米は洗ってザルにあける。
  • ごぼうは包丁の背で軽く皮を削ぎ落とし、ささがきに切って水にさらす。
  • 鶏もも肉は小さめの一口大に切る。
  • 生姜は千切り。
  • みつばはざく切り。

作り方

  1. 鶏もも肉を【下味】にからめる。
  2. 炊飯器に米を入れ、水を1合の目盛りまで入れ【A】の調味料を加える。
  3. ごぼう、生姜、①の鶏もも肉を加えて軽く混ぜ合わせて炊く。
  4. 炊き上がったら全体を混ぜて器に盛り、白ごまをふり、みつばをのせて出来上がり。

コツ・ポイント

みつばの茎の固さが気になる人は、炊き上がったごはんに混ぜ込むと良いです。

ごぼうは皮を取りすぎると栄養素がなくなり、風味が落ちるので軽く表面を撫でるくらいで十分です。

陽性体質の人におすすめのレシピ

[四色甘酢そば]

材料(2人分)

そば・・・・・・・2束

ごぼう・・・・・・1/3本

人参・・・・・・・半分

キュウリ・・・・・半分

おくら・・・・・・2本

【A】

酢・・・・・・・・大さじ1

醤油・・・・・・・小さじ1

砂糖・・・・・・・小さじ1/2

めんつゆ・・・・・大さじ1

【B】

めんつゆ・・・・・大さじ2

水・・・・・・・・大さじ5

下ごしらえ

  • ごぼうは包丁の背で、軽く皮を削ぎ落とし、ささがきに切る。
  • 人参とキュウリは千切り。
  • おくらはへたの先端の部分を切り落とし、ガク(黒っぽい筋の入った部分)をとる。

作り方

  1. 【A】を混ぜ合わせておく。
  2. ごぼうを【B】で煮て冷ましておく。
  3. 人参を軽く茹でて冷ましておく。
  4. おくらをボイルして、水にさらし、斜めにカットする。
  5. そばを袋の表示時間通りに茹でる。
  6. ⑤をザルにあけ、冷水でしめる。
  7. ⑥と①を混ぜて、②と③、キュウリをトッピングして出来上がり。

コツ・ポイント

ごぼうの皮を取りすぎると栄養素がなくなり、風味が弱くなるので軽くなでるくらいで大丈夫です。

ごぼうの保存方法

常温保存

  • 泥つきのごぼうは新聞紙などで包み、冷暗所に立てて保存します。
  • 1ヶ月ほど保存可能です。

冷蔵保存

  • 洗ったごぼうや新ごぼうは冷蔵庫に入る長さに切り、ラップで包んで冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。
  • 1週間ほど保存可能です。
  • 泥つきのごぼうは冷蔵庫に入る長さに切り、新聞紙などで包んでからポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。
  • 1~2ヶ月ほど保存可能です。

冷凍保存

  • 千切りやささがきにカットして、軽く茹でてから粗熱をとり、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に保存ます。
  • 1ヶ月ほど保存可能です。
ABOUT ME
三郎
三郎
健康と幸福を考える料理人
都内のホテルや食堂で調理をして40余年。
歳も60を過ぎ、いくつになっても好きな事を思いっきりできる身体で生きたいと思った事をきっかけに食養生について学び始め、陰陽五行と食についてや、人と自然調和について、食と人の体質についてなどの知識の探究に至る。

自分が今までコックとして働いてきた経験と食養生の知識を生かしながら、より良い食事を作りながら、食べて健康になりたい人の為の「食と健康の図書館」のような場所を作りたいと思い、このサイトを立ち上げる。

スローガンは「おいしく食べて元気になる。」

記事URLをコピーしました