食材辞典

体を温め気力・体力アップ!活力の元『陽性食材』玉ねぎについて知る/食材辞典。

saburou

玉ねぎといえば血栓を予防し、血液サラサラ効果のイメージですが他に、「気」「血」の巡りを良くして身体を温めてくれる陽性の野菜です。疲労を回復させるビタミンと硫化アリルの相乗効果で気力と体力を高めてくれます。涙を誘う効能のかたまり。玉ねぎについて学びます。

基本情報

  • 和名:タマネギ
  • 英名:Onion
  • 科目:キジカクシ目 ヒガンバナ科
  • 属名:ネギ属
  • 原産地:中央アジアから地中海沿岸
  • 陰陽区分:陽性食材
  • 五味:辛味

玉ねぎの特徴

玉ねぎ独特の刺激臭は『硫化アリル』という成分によるもので、利尿、発汗を促し、疲労を回復させ気力・体力を高めてくれるなど、多くの効能があります。

東洋医学では、体を温める『陽性食材』に分類され、普段から元気がなく、なかなか疲れが取れないという冷え性の『陰性体質』の人にはうってつけの野菜で、煮る、焼く、炒める、揚げるなどして、どんどん摂ってほしい食材です。

陽性体質の人は、サラダに酢を使って味付けし、生で食べるのが良いでしょう。

薬膳では疲労を回復させ、滋養強壮の効果があり、気の巡りを整えて、吐き気やゲップ、胃腸のトラブル改善に効果があるとされています。さらに血の巡りを良くすることで、頭痛や肩こりなども和らげてくれます。

『辛味』の性質を持っている玉ねぎは、体内に気や血を廻らせ、筋肉のこりや血行不良を改善し、体外から侵入した病原体や老廃物を体外へ排出し、風邪などの改善に効果が期待できます。

また、玉ねぎは『白色』の食材に分類され、呼吸器系や肌の機能を促し体内の水分を整え、体の内側から潤してくれます。

玉ねぎの旬

一般的に流通している『黄玉ねぎ』の旬は夏から翌年の春です。

玉ねぎは『辛味』の要素を持ち、気や血の巡りを促進させ、滞りを改善し、気や熱の不足で冷えた体を温めてくれる働きがあります。

この時期に育った玉ねぎは、秋から冬にかけての寒さの厳しい季節に風邪やインフルエンザ、肺炎などの邪気から身体を守ってくれます。

夏の時期は熱中症や夏バテなどによる不調の起きやすい季節です。白い食材である玉ねぎは、身体の水分を増やし内側から潤わせてくれます。

また、冷たい食べ物の取りすぎや、冷房で冷えすぎた体を温めて巡らせ、発散させる働きがあるので、この時期に旬である玉ねぎを摂ることは健康を維持するために有効だといえます。

玉ねぎの効能

  • 血管を丈夫に、かつしなやかにして脳血栓、心筋梗塞、高血圧などの血管の病気の予防、改善に役立ちます。
  • 大腸の働きを助け、便通を促します。
  • 消化を助け食欲を増進します。
  • 脳の神経細胞を正常に働かせ、鎮静作用で精神を安定させてイライラや不眠解消に効果が期待できます。
  • 体力や気力を高め、疲労を回復し精神的なバランスを整えます。
  • 体温を高め免疫力をアップし、むくみを解消します。
  • 駆虫、殺菌、防腐、発汗、利尿、解毒作用があることがわかっています。
  • 消化液の分泌を促進して新陳代謝を盛んにし、血液をサラサラにする働きがあります。

美味しい玉ねぎの選び方

  • ふっくらとして、できるだけ球形に近く、頭の部分や根の部分が固く、ずっしりと重さのあるもの。
  • 中心から芽の出ているものは味が落ちます。
  • 触って柔らかく感じるものは中の部分が傷んでいる可能性があります。
  • 表面の皮が、透明感のある濃い茶色でパリパリに乾燥しているものが良質です。

玉ねぎの切り方

切り方を変えて切るのはいくつか理由がありますが、大きく分けて煮崩れしにくく食感を残すためと、食材の甘味を引き出すための二つの理由が挙げられます。

煮崩れしにくく食感を残すには、くし切りなどのように繊維に沿って平行に切ります。一方、甘味を引き出すには、繊維を断ち切るように垂直に切ります。

玉ねぎの甘味は、繊維の断面から出るので断面が多いほど甘味が出やすくなるというわけです。

また、複数の食材を一緒に調理するときは、火の通りを均一にするためと食べやすくするために『青椒肉絲』などのように形を揃えて切ります。

この理由を理解していれば、作る料理によって切り方は自ずと決まってきます。

涙の出ない切り方

玉ねぎを切っていると涙が出てくるというのは誰しも経験があると思いますが、涙の出る原因は『硫化アリル』という成分が目や鼻の粘膜を刺激するためです。

水で濡らしてから切るとか、冷蔵庫で冷やしてから切る、電子レンジで温めてから切るなどいくつか方法がありますが、どれも個人差がるようです。

結局、よく切れる包丁で手早く短時間で切るというのが一番良い方法だと思います。

玉ねぎ調理のポイント

  • 疲れが取れにくい陰性体質の人は、豚肉や豆類などビタミンB1を多く含む食品と組み合わせて摂ると良いです。
  • 硫化アリルは熱に弱いので、生で食べるのが一番なのですが、炒め物などの場合は直前に加えると壊れにくくなります。また、長い時間水に晒すと流れ出てしまうので2~3分程度にします。
  • 陽性体質の人はサッと水にさらした玉ねぎをサラダで食べるのがベスト。

  陰性食材の酢やレモンを加えても良いです。

  • じっくり加熱すると甘味が引き出され、胃腸の働きを良くして消化が促進されます。
  • ベーコンと玉ねぎを一緒に摂るとビタミンB1の吸収率が高まります。
  • 玉ねぎと白味魚を組み合わせると老化防止の効果が高まります。
  • イライラしやすい人、不眠気味の人はビタミンB1を含む食品と玉ネギを一緒に食べると良いです。

陰陽おすすめ玉ねぎのレシピ

陰性体質の人におすすめのレシピ

[玉ねぎ丸ごとオーブン焼き]

材料(2人分)

玉ねぎ・・・・・・・・・・・・1個

オリーブオイル・・・・・・・・大さじ1

塩・胡椒・・・・・・・・・・・適量

ホワイトソース(缶詰め)・・・200g

牛乳・・・・・・・・・・・・・100cc

下ごしらえ

  • 玉ねぎは皮付きのまま、芯をくり抜き、上の部分から十字に半分くらいまで包丁で切り込みを入れる。

作り方

  1. 玉ねぎにオリーブ油をまぶして、アルミホイルで包み込む。
  2. 190℃のオーブンで1時間ほど焼く。
  3. 鍋にホワイトソースと牛乳を入れて温め、塩・胡椒で味を整える
  4. 焼き上がった玉ねぎに③をかけて出来上がり。

コツ・ポイント

玉ねぎは体を温め、脾と胃の気をめぐらせ、消化不良を改善します。

ホワイトソースを作るときは、牛乳の量で濃度をお好みで調節してください。

陽性体質の人におすすめのレシピ

[玉ねぎの甘酢和え]

材料(2人分)

玉ねぎ・・・・・半分

青梗菜・・・・・1束

【A】

酢・・・・・・・大さじ1

砂糖・・・・・・小さじ1

塩・・・・・・・適量

和風顆粒だし・・・・適量

下ごしらえ

  • 玉ねぎは薄くスライスする。
  • 青梗菜は火が通りやすいような大きさに切る。

作り方

  1. スライスした玉ねぎを水にさらして辛味をとりザルにあける。
  2. 青梗菜をボイルして冷水に放し水気を絞る。
  3. 【A】を混ぜ合わせる。
  4. ①と②を混ぜたところに、③を加えて混ぜて器に盛って出来上がり。

コツ・ポイント

玉ねぎは陽性の食材ですが、冷やして食べることで陽性の性質を抑えます。

また、胃腸の働きを助け、消化不良を改善します。

玉ねぎの保存ポイント

◉常温保存

  • 風通しがよく、日の当たらない涼しい冷暗所でネットに入れて吊るしたり、一個ずつ新聞紙に包んでカゴなどに入れて保存します。
  • 吊るした場合は2~3ヶ月保存可能です。
  • 新聞紙に包んでカゴなどに入れた場合は1~2ヶ月保存可能ですが、夏場は常温保存ではなく、冷蔵での保存がおすすめです。
  • 新玉ねぎは水分が多く、傷みやすいためすぐに皮がヌメヌメしてくるので常温保存には向いていません。

◉冷蔵保存

  • 皮を剥いた玉ねぎや、使いかけの玉ねぎは、水けを取ってから、ラップでしっかりと包んで、できるだけ空気に触れないようにタッパか保存袋に入れて野菜室で保存します。
  • 3~4日保存可能です。
  • 新玉ねぎの場合は、湿気を防ぐため一つずつ新聞紙に包んでからポリ袋に入れて冷蔵室で保存します。
  • 1週間ほど保存可能です。

◉冷凍保存

  • 玉ねぎを使いやすいように、スライスやみじん切りにして冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
  • 3~4週間保存可能です。
  • 玉ねぎは湿気に弱いので、風通しの良い場所で保存しましょう。
  • 新玉ねぎは乾燥させずに出荷されるので、2~3日で食べ切るようにしましょう。
ABOUT ME
三郎
三郎
健康と幸福を考える料理人
都内のホテルや食堂で調理をして40余年。
歳も60を過ぎ、いくつになっても好きな事を思いっきりできる身体で生きたいと思った事をきっかけに食養生について学び始め、陰陽五行と食についてや、人と自然調和について、食と人の体質についてなどの知識の探究に至る。

自分が今までコックとして働いてきた経験と食養生の知識を生かしながら、より良い食事を作りながら、食べて健康になりたい人の為の「食と健康の図書館」のような場所を作りたいと思い、このサイトを立ち上げる。

スローガンは「おいしく食べて元気になる。」

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